糖尿病の治療薬で痩せることってある?

糖尿病の薬を飲んで痩せることって…。あるの?


このような疑問にお答えします。


この記事では、体重が減りやすい糖尿病治療薬について解説していきます。後半部分では「糖尿病の治療薬の種類」についても紹介しておりますので、ぜひ最後までご覧くださいね。

 

【目次】
糖尿病の治療薬で痩せることってある?そもそも糖尿病とは?
糖尿病の治療薬で痩せることってある?
糖尿病の治療薬で痩せることってある?治療薬の種類について
糖尿病の治療薬で痩せる|定期的に健診・検診を受けましょう
まとめ

 


糖尿病の治療薬で痩せることってある?そもそも糖尿病とは?

糖尿病の治療薬で痩せることってある?そもそも糖尿病とは?

はじめに「糖尿病」について解説します。糖尿病とはインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気(インスリン膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています)。血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、腎不全といった、より重い疾患につながります。そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。

 

 

糖尿病の治療薬で痩せることってある?

糖尿病の治療薬で痩せることってある?

結論を申し上げますと、糖尿病の治療薬で痩せることはあります。たとえばGLP-1という治療薬では、血糖値を下げると同時に体重を減らす効果があります。もちろんGLP-1はダイエットのための薬ではないので、糖尿病ではない人に使用することは危険が伴います。くれぐれもダイエット目的で糖尿病の治療薬を使用しないようにしてくださいね。「糖尿病の治療薬によるダイエットは危険」や「糖尿病の治療薬について解説しているサイト」でも同様のことを述べておりますよ。

 

 

糖尿病の治療薬で痩せることってある?治療薬の種類について

糖尿病の治療薬で痩せることってある?治療薬の種類について



糖尿病治療薬には体重が減りやすい薬、体重が増えにくい薬、体重が増えやすい薬があります。順番にご紹介していきますね。


[糖尿病の治療薬で痩せる|体重が減りやすい薬]

 

【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が減りやすい薬1】GLP-1(ジーエルピーワン)受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌を促して血糖値を下げる薬。膵臓のβ細胞(べーたさいぼう)のGLP-1受容体に結合し、血糖値が高いときにインスリンの分泌を促します。そして、血糖値を上げるホルモンのひとつであるグルカゴン分泌を抑制し、血糖を下げます。なお、GLP-1受容体作動薬はこれまで注射薬(皮下注射)のみでした。しかし近年「リベルサス錠」が登場したことにより、飲み薬でGLP-1受容体作動薬による治療を受けられるようになっておりますよ。GLP-1受容体作動薬について詳しく知りたい方は「糖尿病の薬で体重は減るのか?」、もしくは「リベルサスにはどんな副作用がある?痩せ薬として使えるか解説!」をご覧ください。

 

<糖尿病の治療薬で痩せる|GLP-1受容体作動薬の副作用>

GLP-1受容体作動薬の副作用は、下痢、便秘、吐き気・嘔吐などの胃腸症状がみられることがあります。多くの場合、しばらくするとおさまります。しかしながら患者様によっては症状が強い場合がありますので、その際は速やかに主治医に相談してください。「糖尿病の治療薬について解説しているサイト」や「2型糖尿病治療薬「GLP-1受容体作動薬」ダイエットなどに使うのは適応外」でも同様のことを述べておりますよ。

 

【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が減りやすい薬2】SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬

SGLT2阻害薬は、腎臓の近位尿細管でのブドウ糖再吸収を抑制し、尿からの糖分の排泄を促進するユニークな薬。尿に糖が出て、糖(栄養分)が失われるため、体重が減ります。SGLT2阻害薬は、血糖を下げるだけではなく、心臓や腎臓にも良い効果が得られることが分かってきております(参考:東洋経済オンライン)。そのため近年は、SGLT2阻害薬の一部の薬が「心不全」や「慢性腎臓病」の治療薬としても使用することが認められておりますよ。なお、SGLT2阻害薬について詳しく知りたい方は「体重減少効果が期待される糖尿病新薬・SGLT2阻害薬」、もしくは「糖尿病の治療薬について解説しているサイト」をご覧ください。

 

<糖尿病の治療薬で痩せる|SGLT2阻害薬の副作用>

SGLT2阻害薬の副作用には、低血糖、尿路・性器感染、脱水、頻尿、皮膚症状などがあります。また、稀ではありますが、重症低血糖ケトアシドーシス脳梗塞、全身性皮疹などの重篤なものがみられる場合があります。

 

 

 

[糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えにくい薬]

[糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えにくい薬]



【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えにくい薬1】DPP-4(ディーピーピーフォー)阻害薬

DPP-4阻害薬は、小腸から分泌されるインクレチンというホルモンに作用する新しいお薬(インスリンの分泌をうながすホルモンであるGLP-1の働きを高めます)。 血糖値の高いときだけ作用し、インスリン分泌を促します。DPP-4阻害薬のみの治療では、低血糖を起こしにくく、 SU薬にみられるような体重増加はありませんよ。DPP-4阻害薬について詳しく知りたい方は「糖尿病の治療で使用する薬の役割と副作用について解説」をご覧ください。

 

<糖尿病の治療薬で痩せる|DPP-4阻害薬の副作用>

DPP-4阻害薬の副作用は、低血糖により冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、手足がふるえる、ふらつく、力がぬけた感じがするなどの症状が出現します。また、便秘、胃部不快感、吐き気、下痢などの症状がみられる場合があります。

 

【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えにくい薬2】α-グルコシダーゼ阻害薬

α-グルコシダーゼ阻害薬は、小腸でのブドウ糖の分解・吸収を遅らせて、食後の急激な血糖値の上昇を抑える薬。食前の血糖値はそれほど高くないけれども、食後の血糖値があがりやすい患者さんに適しています。α-グルコシダーゼ阻害薬について詳しく知りたい方は「体重が減りやすい糖尿病治療薬」をご覧ください。

 

<糖尿病の治療薬で痩せる|α-グルコシダーゼ阻害薬の副作用>

α-グルコシダーゼ阻害薬は消化吸収を遅くする薬のため、おなかが張ったり、放屁が増えたり、便秘・下痢などがよく現れます。ただし、これらは1カ月ほど我慢して服用を続けていると、症状が軽くなって気にならなくなることが多いようですよ。


【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えにくい薬3】ビグアナイド薬

ビグアナイド薬は肝臓で糖をつくる働きを抑え、筋肉などでのブドウ糖の利用を促し、血糖値を下げます。ビグアナイド薬は、SU薬に比べると血糖値を下げる力は弱いのですが「体重が増加しにくい」という利点があります。なので、体重が減りやすいお薬に分類してもいいかもしれませんね。


<糖尿病の治療薬で痩せる|ビグアナイド薬の副作用>

ビグアナイド薬の副作用としては、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振などの軽度の消化器症状が多いです。なお、高齢者、ほかの病気のある方は副作用が重く出ることがありますので、ご注意ください。

 

 

[糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えやすい薬]

 

【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えやすい薬1】スルホニル尿素薬(SU薬)

スルホニル尿素薬は、すい臓のβ細胞に働きかけて、数時間にわたりインスリン分泌を促進する薬。長期間インスリンが薬の刺激により膵臓から分泌され続けるので、血糖値も下がりますが、下がりすぎるリスクもあります(低血糖になるということです)。そのため、スルホニル尿素薬を内服していて「空腹時に冷や汗をかく」「ドキドキする」など、具合が悪くなる場合は低血糖の可能性がありますので、必ず主治医の先生に伝えてください。なお、インスリン分泌が増え、ブドウ糖を効率よく利用できるようになると体重が増えることがありますのでご注意くださいね。

 

<糖尿病の治療薬で痩せる|スルホニル尿素薬の副作用>

スルホニル尿素薬の副作用は、低血糖により冷や汗がでる、気持ちが悪くなる、手足がふるえる、ふらつく、力がぬけた感じがするなどの症状が出現します。また、倦怠感、食欲不振、寒気、突然の高熱、のどの痛みなどがみられる場合があります。

 

【糖尿病の治療薬で痩せる|体重が増えやすい薬2】チアゾリジン薬

チアゾリジン薬は、肝臓や筋肉に作用し、インスリンの効きを良くする薬。インスリンに対するからだの感受性を高めることで血糖値を下げます。


<糖尿病の治療薬で痩せる|チアゾリジン薬の副作用>

チアゾリジン薬の副作用は、むくみや急激な体重増加です。また、肝機能障害、浮腫、心不全、肝障害などの症状がみられる場合があります。

 

 

糖尿病の治療薬で痩せる|定期的に健診・検診を受けましょう

糖尿病の治療薬で痩せる|定期的に健診・検診を受けましょう

糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。血糖値が高い状態が持続すると、神経や目や腎臓などに様々な障害を起こすことが知られています(3大合併症)。最悪の場合、心臓病や脳卒中など、直接死亡リスクに関係する動脈硬化を引き起こす可能性もあります。ですので、糖尿病患者様は定期的に健診・検診を受けましょう。

 

 

まとめ

では、これまでの内容をまとめると

糖尿病の治療薬で痩せることってある?そもそも糖尿病とは?
糖尿病の治療薬で痩せることってある?
糖尿病の治療薬で痩せることってある?治療薬の種類について
糖尿病の治療薬で痩せる|定期的に健診・検診を受けましょう

以上になります。
最後までご覧くださりありがとうございました。