糖尿病の症状|皮膚症状について解説します

糖尿病で皮膚がカサカサしたり、かゆくなったりするって聞いたけど…。
本当?

このような疑問にお答えします。

この記事では、糖尿病による「皮膚症状」について解説していきます。後半部分では「糖尿病による皮膚病変」についても解説しておりますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。なお、糖尿病の初期症状について知りたい方は「放置してはいけない糖尿病の初期症状」をご覧ください。

 

【目次】

糖尿病患者様の皮膚症状|そもそも糖尿病とは?
糖尿病患者様の皮膚症状|かゆくなる原因は皮膚の乾燥です
糖尿病患者様の皮膚症状|どうして乾燥するの?
糖尿病患者様の皮膚症状|感染症を発症しやすいため注意が必要です
糖尿病患者様の皮膚症状|乾燥が軽度のうちから保湿剤を使用しましょう
糖尿病患者様の皮膚症状|糖尿病足病変とは?
糖尿病患者様の皮膚症状|皮膚病変について
糖尿病患者様の皮膚症状|合併症のリスクについて
まとめ

糖尿病患者様の皮膚症状|そもそも糖尿病とは?

糖尿病患者様の皮膚症状|そもそも糖尿病とは?

はじめに「糖尿病」について解説します。糖尿病とは、インスリンが十分に働かないために血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう病気(インスリン膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています)。血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や失明、腎不全といった、より重い疾患につながります。そのため、糖尿病の症状が見られた際には放置せず、速やかに糖尿病専門医による診察を受けることが大切です。

 


糖尿病患者様の皮膚症状|かゆくなる原因は皮膚の乾燥です

糖尿病では「皮膚がカサカサする」「湿疹ができる」「かゆみがある」などの皮膚症状がみられます。この主な原因は「皮膚の乾燥」です。皮膚が乾燥し、かゆみが出て、ついついかいてしまうと「かゆみがひどくなる」「傷ができる」など、症状が悪化することも少なくありません。このようなことから、糖尿病患者様は皮膚の乾燥を「毎日のスキンケア」で予防することが何より大切になります。「糖尿病による皮膚症状について解説しているサイト」や「糖尿病が引き起こす皮膚のかゆみ」でも同様のことをいっておりますよ。

 

 

糖尿病患者様の皮膚症状|どうして乾燥するの?

糖尿病患者様の皮膚症状|どうして乾燥するの?

血糖値が高い状態が続くと、血液中の多くのブドウ糖が尿に排出されるため多尿になります。このとき、体の中の水分も一緒に尿に排泄されてしまうため脱水気味となり、皮膚が乾燥しやすくなるのです。さらに、糖尿病神経障害で自律神経障害があると、発汗が損なわれ汗をかきにくくなり、皮膚の水分量が保持できず低下しやすくなります。発汗の低下はご自身ではなかなか気が付きにくいですが、糖尿病神経障害は他の合併症に比べて早期から起こることが多く、糖尿病を発症して早いうちから乾燥しやすい状態になっている可能性があります。ですので、糖尿病と診断された方は、こまめに皮膚の状態をチェックしてくださいね。

 

 

 

糖尿病患者様の皮膚症状|乾燥が軽度のうちから保湿剤を使用しましょう

皮膚が乾燥すると、皮膚のバリア機能が低下して外部からの刺激を受けやすくなるため、かゆみや湿疹などの症状が起こる原因となります。皮膚の乾燥は保湿剤を塗ることで防ぎ、バリア機能の回復を促して正常な皮膚の状態に近付けることができます。かゆみが発生し、皮膚をかいてしまうとさらに皮膚バリア機能が低下する悪循環に陥ってしまうため、乾燥が軽度のうちから保湿剤を使用し、皮膚のコンディションを整えることが重要ですよ。「糖尿病による皮膚症状について解説しているサイト」や「糖尿病の皮膚のケア」でも同様のことをいっております。

 

 

糖尿病患者様の皮膚症状|感染症を発症しやすいため注意が必要です

糖尿病患者様の皮膚症状|感染症を発症しやすいため注意が必要です

糖尿病患者様の皮膚のトラブルは乾燥だけではありません。糖尿病があると免疫機構が低下し、感染症を起こしやすくなります。水虫をはじめ、細菌感染を主体とした「蜂窩織炎」や「壊死性筋膜炎」などの皮膚感染症を発症しやすいのです。特に足は小さな傷から細菌感染などを起こすことがあるため日常からケアをしたり、血糖値を改善することが重要になりますよ。「糖尿病による皮脂欠乏症について解説しているサイト」や「皮膚の乾燥やかゆみは糖尿病が原因?」でも同様のことをいっております。

 

 


糖尿病患者様の皮膚症状|糖尿病足病変とは?

糖尿病の患者様に生じる足のトラブルの総称を「糖尿病足病変(とうにょうびょうあしびょうへん)」といいます。病変には、足に生じる水虫や細菌感染による病変、たこやうおのめ、足の潰瘍や変形などがあります。さらに重症になると壊疽(えそ)という組織が死んでしまった状態になり、最悪の場合は足を切断することもあります。こうした状態になるのを避けるためには、糖尿病自体の治療をしっかり行って血糖を適切な状態に保つことはもちろん、毎日足の状態をよく観察して早く異常を見つけることが大切です。足に以下のような症状がある方は糖尿病の疑いがありますので、速やかに糖尿病専門医による診察を受けましょう。「【糖尿病】合併症の症状は皮膚にでることもある?」でも同様のことを述べております。

 

<糖尿病患者様の皮膚症状|足の外観に出る変化>

・うおのめ、たこ、まめ、靴ずれがよくできる
・小さな傷でも治らない
・足に感染症がある(水虫など)
・皮膚が赤くなったり、腫れたりしている部分がある
・皮膚が乾燥したり、ひび割れしている部分がある
・爪が変形したり、変色したりしている

 

 


糖尿病患者様の皮膚症状|皮膚病変について

糖尿病患者様の皮膚症状|皮膚病変について

糖尿病では「血管障害」や「神経障害」あるいは「脂質代謝異常増悪」により、下記のような皮膚病変が出現します。


【糖尿病患者様の皮膚病変1】糖尿病性黄色腫(とうにょうびょうおうしょくしゅ)

糖尿病性黄色腫は、糖尿病の家族歴を持つ20-30歳代に好発する疾患。糖尿病のコントロール不良を契機に出現することが多いです。好発部位は四肢伸側で、特に肘頭、膝蓋、臀部で、米粒大から小豆大の黄色ないし赤褐色の丘疹または小結節が多発し、時に掻痒を伴います。


【糖尿病患者様の皮膚病変2】糖尿病性浮腫性硬化症(とうにょうびょうせいふしゅせいこうかしょう

糖尿病性浮腫性硬化症は糖尿病歴が長く、治療抵抗性でコントロール不良の症例に合併しやすい疾患。肥満・脂質異常症・高血圧を伴うことが多いです。糖尿病性浮腫性硬化症は、項部から上背部に指圧痕を残さない硬化局面が見られます。表面は常色で、触診で容易に境界明瞭な硬化性病変を認識できることが多いですが、肉眼的に認識しがたいこともあり、あるいは腫瘤として認識されることもありますよ。


【糖尿病患者様の皮膚病変3】汎発性環状肉芽腫(はんぱつせいかんじょうにくげしゅ)

汎発性環状肉芽腫は、紅色から褐色調の扁平隆起性の環状皮疹や非定型皮疹が出現する疾患。基本的に自覚症状がないことが多いです。しかし時には、掻痒を伴うことがあります。

 

【糖尿病患者様の皮膚病変4】リポイド類壊死症(りぽいどるいえししょう)

リポイド類壊死症とは、肉芽腫性反応、血管壁の肥厚と脂肪沈殿とコラーゲンの変性疾患のことをいいます。この病気は、男性よりも女性の3倍以上が一般的であるとされおり、発症の平均年齢は30歳ごろといわれています。

 

【糖尿病患者様の皮膚病変5】糖尿病性水疱(とうにょうびょうせいすいほう)

糖尿病性水疱とは、糖尿病に伴う症状のことで手足にやけどをしたときにできるような水疱ができてしまうことをいいます。糖尿病性水疱は、糖尿病コントロール不良で合併症のある中高年男性に好発しやすい疾患。微小血管障害が原因と考えられています。なお、足趾・足縁・踵・下腿などに炎症のない緊満性水疱あるいは血性水疱が突然できることが多いですよ。


※その他の皮膚病変については「糖尿病と皮膚の病気」に記載しておりますので、気になる方はご覧ください。

 

 


糖尿病患者様の皮膚症状|合併症のリスクについて

糖尿病患者様の皮膚症状|合併症のリスクについて

糖尿病の恐さは、自覚症状のないままに重篤な合併症が進展することです。血糖値が高い状態が持続すると、神経や目や腎臓などに様々な障害を起こすことが知られています(3大合併症)。最悪の場合、心臓病や脳卒中など、直接死亡リスクに関係する動脈硬化を引き起こす可能性もあります。ですので、糖尿病の症状が見られた際は、絶対に放置してはいけません。糖尿病に心当たりのある方は、速やかにかかりつけ医に相談しましょう。「糖尿病の症状について解説しているサイト」でも同様のことをいっております。

 

 


まとめ

では、これまでの内容をまとめると

糖尿病患者様の皮膚症状|そもそも糖尿病とは?
糖尿病患者様の皮膚症状|かゆくなる原因は皮膚の乾燥です
糖尿病患者様の皮膚症状|どうして乾燥するの?
糖尿病患者様の皮膚症状|感染症を発症しやすいため注意が必要です
糖尿病患者様の皮膚症状|乾燥が軽度のうちから保湿剤を使用しましょう
糖尿病患者様の皮膚症状|糖尿病足病変とは?
糖尿病患者様の皮膚症状|皮膚病変について
糖尿病患者様の皮膚症状|合併症のリスクについて

 

以上になります。
最後までご覧くださりありがとうございました。